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労働者と労働組合は憲法にどう向き合ってきたか |
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全国労働組合総連合(全労連)) |
2006/08/10 |
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1、平和憲法と安保体制のせめぎあいの中で
1947年に施行された日本国憲法は、世界の戦争違法化の流れ、アジア諸国への日本の侵略への反省、日本国民の平和に対する強い思いを背景に、戦争と軍備の放棄をうたう最も平和主義を徹底した憲法となり、圧倒的多数の国民・労働者、労働組合は日本国憲法を歓迎しました。
しかし、中国革命の進展や冷戦の開始により、1948年には、ロイヤル米陸軍長官の報告「日本の限定的再軍備」が出され、日本を反共の防波堤とする軍備拡張・反動化の逆コースが始まり、1951年には日米安全保障条約が締結されます。日本は、憲法原理と軍事同盟である日米安保体制という2重の構造をもち、せめぎ合うこととなります。その中で1950年代には明文改憲の動きも強まります。
戦後の日本の労働運動は、このせめぎ合いの中で、日本国憲法の平和原則を掲げて一貫してたたかいを進めて来ました。
全面講和のたたかい、破壊活動防止法反対のたたかい、内灘・砂川など米軍基地反対闘争、教師に対する勤務評定反対闘争、原水爆禁止運動、警職法闘争、安保闘争、ベトナム人民支援のたたかい、日韓条約反対闘争、沖縄返還闘争、小選挙区制反対闘争など、戦後の歴史は日米軍事同盟の強化、軍事大国化、反動化とのたたかいの連続であり、その中心部隊として労働組合運動がありました。
1989年に結成された全労連は、行動綱領に「憲法改悪に反対し、憲法の民主的条項の擁護」を掲げ、憲法を守り生かすことを重要な柱としてきました。また、全労連を構成する産業別組織である全教は「教え子を再び戦場に送らない」、自治労連は「自治体労働者は二度と赤紙(召集令状)は配らない」、医労連は「ふたたび白衣を戦場の血でよごさない」、建交労は「失業と貧乏と戦争に反対」を各々スローガンとして掲げるなど、憲法と平和の問題を中心的課題として重視しています。
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2006年5月27日、代々木公園に5万人以上が集う |
2、労働者の権利、社会保障などで憲法をよりどころにした
たたかいの推進
戦後の労働運動は、日本国憲法で規定した基本的人権の侵害とたたかい、その実現と権利の拡充をめざす取り組みも進めてきました。
日本の労働運動は1947年に600万人が参加するゼネストが予定されるなど、大きく高揚しその中心は官公労働者でした。アメリカ占領軍は占領政策を大きく転換させ、官公労働者のストライキ権の禁止を示唆、それを受けて日本政府は「政令201号」で、憲法28条でそれまで保障されていた官公労働者のストライキ権を奪い、その後法律にも書き込みます。その後、日本の労働運動は、基本的人権に係わる重要課題として官公労働者の労働基本権回復を位置づけ、たたかいが続けられ現在に至っています。
憲法25条をめぐるたたかいも労働運動の重要な課題でした。1957年から10年にわたった朝日訴訟は、正面から憲法25条で定める社会保障における国の責任を問う裁判であり、その後の生活保護水準の飛躍的改善をもたらしました。保育所建設の運動、障害者運動、高齢者福祉や年金改善のたたかい、医療改善のたたかいなど、憲法25条をよりどころにした社会保障闘争が労働組合運動としても重視して取り組まれました。
また、憲法27条、28条をよりどころにした、労働運動への攻撃とのたたかい、労働条件改善のたたかい、憲法14条をよりどころにした男女差別是正のたたかい、19条をよりどころにした思想差別とのたたかいなど、日本の労働運動は、日本国憲法を力に無数のたたかいを展開してきたと言えます。
3、憲法の本格的な学習と活用における弱さ
戦後の労働運動にとって日本国憲法は重要なよりどころでしたが、天皇条項への反発もあり、憲法全体を学び力にする点で弱点を持っていました。学校教育で憲法を教えることが非常に弱かったこと、労働運動でもたたかいにとって関係する憲法の条項は読んでも全体を学習することはあまりなく、徹底した平和主義、世界やアジアとの関わり、世界に誇る社会権保障など日本国憲法の優れた内容を理解し、職場や社会に積極的に生かしていくうえで弱さを持っていたと言えます。
4、改憲の動きが顕著になるもとでの全労連の取り組み
衆参に憲法調査会が設置され、自民党や民主党が改憲を公約に掲げるもとで、04年7月の全労連第21回大会で決めた方針は、「戦後憲法体制の全面解体を阻止することは、日本の戦後史をかけた課題となっている」と規定し、「憲法改悪反対の一点での保守層を含む広範な人々と共同を追及する。同時に労働組合や民主団体による運動推進体制を確立する。全労連のすべての組合が憲法を職場と地域、くらしと政治に生かす日常活動を強化する」と提起しました。
学習の重視、職場「九条の会」の結成と運動など憲法闘争の担い手づくり、「九条の会アピール」にこたえる地域や労働分野などに広範な共同を広げること、住民過半数の世論の獲得をめざす様々な取り組みなどを進めています。また、改憲の先取りである在日米軍基地の再編強化、教育基本法改悪法案とのたたかいを憲法闘争と一体のものとして取り組んでいます。
いま、政府与党、財界や民主党も進める構造改革路線が、雇用と賃金・労働者保護法制の破壊、社会保障の全面的で連続した改悪、市町村合併や行政改革の押しつけ、地方財政削減による地方自治の破壊、教育費の高騰や民営化の推進による教育の機会均等の破壊、公務員攻撃による「全体の奉仕者」の空洞化などをもたらしています。構造改革が、日本国憲法で定める基本的人権などと激しく矛盾をきたし、この面からも改憲を進める動きとなっていることも見据え、構造改革と対峙する生活要求のたたかいと憲法闘争を結合することも重視しています。
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