ドキュメンタリー映画「シリーズ憲法とともに歩む」
 
憲法ー歴史・未来館
  女性は憲法にどう向きあってきたか
新日本婦人の会
2006/09/21


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憲法とともに歩んだ戦後日本の女性たち
「女性は憲法にどう向きあってきたか」を考えるとき、日本の女性の平和への熱い思いと行動の原点について、あらためて振り返る必要があると考えています。
戦前、女性は「大日本帝国憲法」下の民法によって、家父長制のもとで法律的には無能力者とされ、参政権をふくむいっさいの権利を認められていませんでした。「愛する夫や息子を戦場に送りたくない」とどんなに願っていても、声に出すことすらゆるされず、銃後の守り手として戦争に協力させられてきました。310万人の日本国民、2000万人以上のアジア・太平洋の人々の命を奪った侵略戦争は、広島・長崎への人類史上はじめての原爆投下で敗戦を迎えました。日本の女性は消し去ることのできない加害国の女性としての痛恨の思いと同時に、原爆によって一瞬にして殺された20万人近い人々、いまなお苦しみぬいている被爆者の、「人類と核兵器は共存しない」とのメッセージをうけとめた被爆国日本の女性としての思いを持っています。戦争の悲惨さ、残虐さを身をもって体験し、「二度と戦争は許さない」と平和を希求し、その一点から出発したのが戦後の女性運動です。
多大な犠牲を強いた戦争の反省のうえにたって、二度と同じあやまちをくり返さないために、戦争放棄、主権在民、基本的人権などを明記して発布されたのが日本国憲法です。初めて法のもとでの男女平等の権利と参政権を得た女性たちは、戦後の混乱した社会のなかでくらしや権利を守るたたかいにたちあがり、女性団体や労働組合女性部が次つぎと誕生しました。
私たち新日本婦人の会も、平和を願う女性たちの思いを束ねて1962年に誕生しました。会の「五つの目的」のうち、「核戦争の危険から女性と子どもの生命を守ります」「憲法改悪に反対、軍国主義復活を阻止します」「世界の女性と手をつなぎ永遠の平和をうちたてます」など、3つが平和の課題そのものとなっているのも、当時の女性たちのつよい願いのあらわれです。

男女平等と女性の地位向上めざして
憲法第9条とともに女性の力の発露となったのが、「個人の尊重と平等の原則」をうたった第24条です。女性たちは「伝統的な役割分担の廃止を」「差別的な法律や偏見を見直そう」と声を上げ、活発に行動しました。1975年の国際婦人年をきっかけに「国際婦人年連絡会」が、広範な女性団体、労働組合女性部などで結成されました。以後30年余、「平等・開発・平和」を掲げ、「平和なくして平等なし、平等なくして平和なし」の立場で活動しています。
女性たちの運動のなかで、まだ十分ではないとはいえ男女雇用機会均等法や育児休業法ができ、高校家庭科の男女共修などが実施され、1999年には「男女共同参画社会基本法」が制定されて、男女平等の地域への浸透がはじまったのです。
いま、日本の多くの女性団体はその目的や活動内容はさまざまでも、「憲法を擁護し、その改悪を阻止する」「核兵器廃絶、非核3原則の遵守」など平和の問題では一致して行動することができます。その根底に憲法とともに歩んできた日本の女性たちの歴史があるからです。

「戦争する国づくり」への危険な動き
平和を求める決意は、本来、戦後日本の歴代政府がなによりつよく持つべきものでした。1946年の憲法制定国会で、当時の吉田茂首相は、「我国に於ては、如何なる名義を以てしても交戦権は先ず第一自ら進んで放棄する。放棄することによって全世界の平和の確立の基礎を成す。全世界の平和愛好国の先頭に立って、世界の平和確立に貢献する決意を先ず此の決意に於て表明したいのであります」と、戦争のない日本・世界を築く固い決意を述べています。
しかし、憲法9条とともに平和国家として歩み出した道は、戦後まもなく、日本をアジア支配の拠点にしようというアメリカの戦略によってくつがえされました。以来、戦争犯罪人たちが閣僚や首相に返り咲き、長年の自民党政治のもとで憲法改悪の策動が何度も浮上してきました。そんななかで9条を守り続け、改悪を阻止してきたのは、日本の国民・女性たちのたたかいと世論の力です。
いま、ブッシュ米政権は、「長い戦争」の期間に入ったとして核兵器使用を含む先制攻撃戦略を掲げ、イラク戦争のような、国連憲章に背いた戦争を世界のどこででも再現し、日本の自衛隊を軍隊として戦争に引きずり込むことをねらっています。それにこたえて、自民党が発表した新憲法草案では憲法第9条2項をなくして、自衛軍保持を明記し、アメリカのいうままに自衛隊を「戦争できる軍隊」に、日本を「戦争する国」に変えようとしています。愛国心を強要し、戦争する人づくりをめざす教育基本法改悪法や共謀罪法案は、国会で継続審議になりましたが、予断をゆるさない状況です。
地球規模での米軍基地の再編・強化をおしつけ、日本をアメリカの指令・出撃撃拠点にしようという企ては、こうした動きと一体のものとして進行しています。いまでさえ135ヵ所もある在日米軍基地によって女性・国民が苦しめられているのに、政府は再編計画に無条件に従い、そのための費用3兆円の負担までも受け入れようとしています。一方で際限のない増税や福祉切りすて、格差社会を国民におしつけています。
この間、自治体条例からの「ジェンダーフリー」のことば削除の強要、性教育や学校教育へのバッシングなど、男女平等のとりくみへのバックラッシュ(揺り戻し)が顕著です。これらの攻撃と憲法改悪の動きが深く結びついていることは見逃せません。自民党の新憲法草案には24条の改定は書かれていませんが、これまでの経過から「戦争する国・人づくり」にとって障害となる「人権」や「個人の尊重」「男女平等」をとりはらう意図があることは明らかです。

平和の「綱引き」に勝利し憲法を守りぬこう
いま、女性たちは自民・公明与党と民主党が、国会での数の力に頼んで変えようとしている日本国憲法と向きあい、憲法を私たちの手に確実におさめる平和の綱引きをしています。憲法を守るたたかいは、憲法改悪と一体の動きである米軍基地の再編・強化に反対するとりくみ、核兵器廃絶を求めるとりくみとともに急速に発展し、そこでの女性の果たす役割にも大きなものがあります。
「九条の会」のアピールにこたえた、全女性有権者を視野に、過半数の「憲法改悪」反対署名をめざすとりくみや宣伝。首長を先頭した住民ぐるみの米軍基地再編強化反対の運動では、米艦載機移転の是非を問う住民投票で、住民の過半数が「ノー」の審判を下した山口県岩国市や、女性の革新候補が勝利した沖縄市長選挙でも、幅広い女性たちが力をあわせ、「女性が流れを変えた」といわれるほどのがんばりで、全国を励ますとともに、日本政府に痛打を与える結果をつくりだしました。
2003年5月、新婦人は国連経済社会理事会の特別協議資格をもつNGOとして認証され、世界の女性との連帯をいっそう深めてきました。今年5月にはアメリカ、韓国、国際女性組織の代表を招いて国際シンポジウムを開催しました。これらの活動をとおして、あらためて日本国憲法が世界、とりわけアジアの人びとの希望になっていること、この憲法を守りぬくことは世界とアジアの女性たちの願いであり、日本の女性がなんとしても果たすべき役割であることが鮮明になっています。戦争も核兵器もない世界の実現をめざすうえでの日本の運動が担っている重要性を自覚し、国内外の広範な人々と力をあわせて、憲法を守りぬいていきたいと決意しています。


 
企画:橘祐典、片桐直樹、大澤豊 
第一篇監督・脚本:片桐直樹 90分 短縮版
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小山内美江子(脚本家) 伊藤 真(「伊藤塾」塾長) 香山リカ(精神科医) 鬼追明夫(元日弁連会長)  品川正治(経済同友会終身幹事) 橘 祐典(映画監督) 辻井 喬(作家) 山田洋次(映画監督)

 
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