ドキュメンタリー映画「シリーズ憲法とともに歩む」
 
憲法ー歴史・未来館
  船員が徴用された暗黒時代の再来は二度と許してはならない
全日本海員組合
組合長  藤澤 洋二
2007/01/26

資源の少ない島国であるわが国は、昔も今も国民生活を支える日用品から食料品など、産業基盤を支える鉄鉱石・石炭さらには経済活動に不可欠なエネルギー資源等々あらゆる物資を国外から輸入しています。
先の大戦はこうした事実を無視して、世界中のほとんどの国を敵に回しての無謀な戦争でありました。海洋国家であるわが国の戦争は、必然的に通商破壊戦となり大量の船舶が徴用されました。
徴用された船舶の88%は戦争の犠牲となり海底深く沈められました。
戦没した船舶数は、官民一般商船が3,575隻、機帆船2,070隻、漁船1,595隻となっていて、その被害総数は甚大であります。一方、船員の犠牲は陸海軍人の死亡率をはるかに上まわる43%となっており、総数は62,000人余と発表されていますが未だ正確な人数は特定されていません。

全日本海員組合は敗戦直後の1945年10月5日、他の労働組合に先駆けて結成されました。結成大会では戦争により未曾有の犠牲を被った事実を反映して「戦時海員遺家族を救済せよ!」のスローガンが目を引くとともに、戦時下における「海員大衆ノ真二涙グマシキ死闘ト想像二絶スル夥シキ血ノ犠牲」から永久に訣別すべく「宣言」を採択しました。海員組合結成後60年間の運動の基軸は、まさしく平和な海を求めての戦いでありました。

私自身は戦後の生まれで、直接戦争体験を経ずに育った世代であります。しかし、若かりし頃の乗船体験で印象深い思い出があります。それは、ある特定の海域に入ると、必ずお酒や花やおにぎりを船尾から海に捧げ、熱心に海に向かって合掌する先輩たちがいたことであります。数えの14・5歳で徴用船員となった先輩たちは、自分たちの船団が攻撃を受け、血と油の海に投げ出され、多くの先輩同僚たちが力尽き果て海の底に没していって、己だけが助かったという断腸と慙愧の思いで合掌している姿なのです。

戦後の60年問、わが国は現行の憲法に守られ諸外国との間で殺すことも殺されることもなく友好と親善を築いてきました。しかし小泉政権によって有事関連法は制定され、5年以内に改憲するとの意欲を示す安部政権は改憲の露払いとでもいうべき国民投票法案を与党単独で成立させようとしています。
戦火の海に、夥しい数の船員が徴用され戦没していった暗黒時代の再来を2度と許してはならないと考え、日本国憲法とその理念を多くの人々と学ぶ映画に期待するものであります。


 
企画:橘祐典、片桐直樹、大澤豊 
第一篇監督・脚本:片桐直樹 90分 短縮版
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小山内美江子(脚本家) 伊藤 真(「伊藤塾」塾長) 香山リカ(精神科医) 鬼追明夫(元日弁連会長)  品川正治(経済同友会終身幹事) 橘 祐典(映画監督) 辻井 喬(作家) 山田洋次(映画監督)

 
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