ドキュメンタリー映画「シリーズ憲法とともに歩む」
 
憲法ー歴史・未来館
  <伊藤真と香山リカの本音トーク>
いまどきの人々と憲法をどう語り合うか・・・(6)
2007/03/15

■憲法の考え方を知ると高校生が感動する!

【香山リカ】私、60年前の憲法をただただ、守れ、守れ、守れって言っていても、おそらくそういう人たちの心にはなかなか届かないんだろうと思いますよね。守れ、ではなく、たとえば、もう1回この憲法を選び直すんだ、とか、そんな訴えかけが必要なんじゃないですかね。ただ古いものを守るっていうことじゃなくて、新しくこの憲法を、もう1回それを自分たちで選択していくんだ、っていうような、何かそういう言い方をしなきゃいけないじゃないかと思いますけどね。
【伊藤真】そういう意味では、さっきもちょっとお話しましたけれども、いくつかの高校に行ったときの高校生たちの反応はなかなかいい感じなんです。高校生たちは、幸か不幸か、憲法のことってあんまり勉強してきてないから、新鮮に受けとめてくれるんです。
【香山リカ】うんうん。
【伊藤真】高校で憲法を学ぶのは「現代社会」の授業なんですが、それは選択科目ですし、みんなが受けるわけじゃない。だから、憲法を学ぶのは中学の「公民」までで終わっちゃう生徒が多いんですね。中学の授業で生徒たちが憲法のことをきちんと学んでいるかと言ったら、まったくそうじゃない。憲法と法律の違いだとか、憲法は権力に対する歯止めなんだ、ということもほとんど学びませんし、13条の個人の尊厳、「個人の尊重」っていう考え方もあまり知らないわけですよね。人権尊重、国民主権、平和主義という、いわゆる3原則とか、三権分立、そういう条文の知識を覚えたり、だとかで終わってしまっている。それは単なる暗記で、すぐ忘れちゃうわけですよね。そういう生徒たちに、実は日本の憲法ってこんなんだよって言うと、新鮮な驚きになるんですよね。「初めて知りました」「へぇ、そんななんですか」って感じなんですよね。
【香山リカ】出会いですね。
【伊藤真】新しい出会いなんですよね。大人たちは60年もたって古いとか言うけれども、「この憲法って、えっそんな新しい中身なの」みたいな受けとめなんですよね。
【香山リカ】なるほど。
【伊藤真】私が「個人の尊重」という考え方について、別にみんなが人と同じでなくてもいいんだよ、なんてことを話すと、ある生徒なんかは感想文で、今までみんなと同じじゃないといけないと思ってたんだけれども、憲法が人と違っていていいんだと言ってるってことにとっても驚いて、「すごくほっとしました」なんて書いてくるんです。それで「これからの生き方をもういっぺん考えてみます」とか、そういう感想って意外と多いんですよ。
【香山リカ】そうですか。
【伊藤真】だから、高校生たちは憲法というものを、すごく新しい新鮮なものとして、それを自分の中に取り込めるんです。
【香山リカ】なるほどね。憲法のことをみんな知らないってことですよね。
【伊藤真】ほとんど知らされていないんですよね。
【香山リカ】それと、「いまの憲法のせいで、北朝鮮から攻められても何もできないんでしょう」とかっていう、なんかネガティブなイメージもありますよね。
【伊藤真】そうでしょうね。
【伊藤真】憲法の考え方をもっともっと伝えていく必要がありますよね。憲法があるから好きなことをしゃべれて、いろんなものが自由に買えて、好きな音楽が聴けて、という理解にはなっていないんですよね。
【香山リカ】うんうん。
【伊藤真】韓国では日本の音楽なんて聴けなかったりとか、映画を観れなかったりするわけじゃないですか。そういうことがこの国ではなくって、みんな好きなように音楽も聞けるし、ダンスも踊れるし、検閲もされないでメールも自由にできるし、とか、やっぱりそういうのって水や空気と同じでね、意識しないじゃないですか。
【香山リカ】そうですよね。
【伊藤真】そういうことをちゃんと伝えてあげることができたら、結構若い世代は新鮮に捉えてくれるんですよね

 


 
企画:橘祐典、片桐直樹、大澤豊 
第一篇監督・脚本:片桐直樹 90分 短縮版
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小山内美江子(脚本家) 伊藤 真(「伊藤塾」塾長) 香山リカ(精神科医) 鬼追明夫(元日弁連会長)  品川正治(経済同友会終身幹事) 橘 祐典(映画監督) 辻井 喬(作家) 山田洋次(映画監督)

 
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