 |
|
憲法9条、「素晴らしい!」 |
|
|
ドキュメンタリー映画『シリーズ憲法と共に歩む』製作委員会は女優の田丸麻紀さんに憲法についてのインタビューをしました。
日本国憲法の制定には鈴木安蔵らが重要な役割を果たしました。田丸さんは、その経過を描いた映画「日本の青空」で当時の様子を浮き彫りにしていく編集者の役を演じました。
―――映画「日本の青空」で、田丸さんは、日本国憲法の制定に大きな役割を果たした鈴木安蔵さんの仕事を描き出す編集者の役を演じられました。初めて台本を読まれた時は難しいと感じられたそうですが、かなり勉強したんじゃないですか。
【田丸麻紀さん】(以下田丸)
私は、現代を生きる編集者として、日本国憲法が制定される頃の鈴木安蔵の仕事を追う役でした。それは映画を観る方々に鈴木安蔵がしてきたことを伝える、いわばエスコート役でした。ですから、映画の内容を理解し納得しながら演じなければならないと思い、いろいろと勉強しました。この映画は重要なキーワードも多いので、少し苦労しました。
先人の様々な努力に学ぶ
―――田丸さんは、日本国憲法は外国人が用意してできたものだと思っていたそうですね。学校でそのように習っていたということですか。
【田丸】
これからの日本人はこうしなさい、と言って今の憲法が外国人によって用意された、というような教科書の記述があったような印象があるんです。ですから、映画の台本を初めて読んだ時、私はすごく嬉しかったんです。「へぇー、そうなんだ。今の憲法は日本人が日本人のことを考えてつくったんだ」って、誇らしく感じたんです。その台本は、私にとっては台本というより、知らなかったことを教えてくれる教科書のように思えました。
―――田丸さんは、いまの憲法は「日本人にぴったり」って表現されましたが、台本を読んだ時に、もうその時に、そう思ったんですね。
【田丸】
日本人の肌に合っているように思いました。
―――初めは難しく感じた台本も、それを何度も読むうちに、この映画には大事なことがたくさん詰まっているように思うようになった、ということもおっしゃっていますね。
【田丸】
この映画の主題の一つは憲法9条だと思います。私と同年代の世代は平和な社会に生きてきましたが、憲法9条の存在をどれだけみんなが意識しているのかなって思うんです。どのような経緯で憲法9条がつくられたのかを、この映画を通じて多くの人々に考えてもらえれば、と思っています。
―――田丸さんは、鈴木安蔵の奥さんを例にして、戦前の女性たちがつらい思いをされながらも、言うべきことを言い、その結果女性の地位が向上してきた、ということもおっしゃっています。モデルから女優になり、デザイナーもされ、いろいろなことに好奇心を持ち、自分がやりたいことをやっておられる田丸さんは、今の憲法が示す「自由に生きる」ということを大切にしたい気持ちが強いのではないでしょうか。
【田丸】
本当に私は幸せに生きてきていますが、それはそのような環境に恵まれたからだと思います。このような環境がつくられてきたのは、実は過去様々な人々が様々な努力をしてきた結果なんだということも、この映画に出演して、あらためて感じることができました。
気軽に憲法を語り合い、学ぶ
―――いまの日本社会は、日本国憲法の制定によって、人々が「自由に生きる」ことが基本的に保障されるようになりました。同時に、現実には多くの人々が苦しい生活を余儀なくされています。田丸さんが演じた編集者も派遣労働者であり苦しい立場です。そのお父さんも過労死されました。こうした社会の現状をどう思われますか。
【田丸】
社会の現実の難しさや苦さに対して、憲法は社会のあるべき姿の理想を掲げていると思います。理想を表現することによって社会の現実を変えていけることは素晴らしいことではないでしょうか。私は前向きに受けとめたいと思っています。
―――日本国憲法は理想ばかり掲げていて、それでは現実に合わない、という声も聞かれます。9条もそのように言われることがありますが、田丸さんはそうは考えないということですね。
【田丸】
ものごとを理想の範囲内で済ませてしまったら、現実は理想を超えられないと思うんです。理想は高く掲げ、常に現実を理想に近づける努力をしていく必要があると考えているんです。日本が憲法9条を持っていることは素晴らしいことです。私たちは自信を持っていいと思っています。
―――映画「日本の青空」の中に、オープンカフェで憲法について語り合うシーンがあります。田丸さんはもっとカジュアルに、日常的に憲法を語り合いたいとおっしゃっていますね。
【田丸】
やっぱり憲法というのは縁遠いし難しいというイメージがあります。でも、私はこの映画に出演して考え方がだいぶ変わりました。つまり、憲法のことを知っているのと知らないのとでは、いろいろなことについての感じ方がずいぶん違うということがわかったんです。だから、憲法についてももっと気軽に語り合い、理解が広がる機会が増えればいいなぁ、と思っています。
―――考え方が変わったということですが、具体的にはどういうことですか。
【田丸】
私たちが幸せに生きることのできる今の社会というのは、過去の様々な人たちの努力の結果できあがっているんだということですね。
「戦争放棄」は力強いメッセージ
―――そうですよね。ところで、「日本の青空」を観た人たちの感想はどうでしたか。特に、田丸さんと同世代の人たちはどうでした。
【田丸】
私の友だちに聞くと、8割くらいは、日本の憲法が日本人によってつくられていったことを知らなかったと言っています。私だけでなく、同世代の多くが、日本の憲法が外国人によって用意されたものだと思い込んでいたんです。
―――「日本の青空」のスタッフの皆さんは、映画を完成させ、どんな手ごたえを感じておられるんでしょうか。
【田丸】
映画が完成した打ち上げの時、人々の幸せや平和を描く映画をつくることができたという達成感を多くのスタッフが言ってました。
―――田丸さんが演じた編集者の恋人役を演じた、谷部さんともいろいろなお話をされたのではないでしょうか。
【田丸】
はじめて台本をもらった時は、彼も私と同じで、「難しいね」と言っていましたが、映画を撮り終えた後、お互いに「社会の様々なことを興味深く感じるようになったね」という話をしました。
―――映画への出演を通して、田丸さんは、日本国憲法は日本人自身によってつくられていったということを、新たに理解されたとおっしゃいました。その他に憲法について学んだことはありますか。
【田丸】
だんだん、日本国憲法は美しいって思うようになってきています。
―――美しいって、どういうことでしょうか。
【田丸】
お行儀がいい感じがします。そして、9条の「戦争放棄」って、すごく力強いメッセージですよね。理想が高くていいと思います。
―――憲法は一番重要な法律だから、みんなが守らなければならないと思われるんですが、実は憲法を守らなければならないのは国会議員や政府の人たちなんですよね。このことも多くの人たちに伝えていきたいですよね。
【田丸】
国民が守るものとしてではなくて、国会議員や政府の人たちが守るものとして憲法というものができたんですよね。実は、私もそのことを知りませんでした。「へぇー、そうなんだ」ってびっくりしました。
―――最後に、「日本の青空」の魅力を、あらためて語っていただけますか。
【田丸】
憲法とその誕生を通して、日本という国の魅力を発見できる映画だと思います。ぜひ多くの人々に楽しんで観てもらえればと思っています。
―――私たちがつくったドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」ともども、「日本の青空」が多くの方々に観てもらえれば、と思います。本日はありがとうございました。
【田丸麻紀さんのプロフィール】
大阪府出身、1978年9月4日生まれ。モデルを経て、2003年3月に女優に転進。2007年3月公開の映画「日本の青空」などに出演。2007年6月公開 の「アコークロー」主演(美咲役)。
|